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梅雨時期の透析患者さんへ〜体調管理の3つのポイント〜

2025.06.17

梅雨の季節になりました。この時期、透析患者さんは特に注意が必要です。日本透析医学会のガイドラインに基づいた重要なポイントをお伝えします。

1. 水分・体重管理がより重要になります

なぜ梅雨時期は体重が増えやすいのか

梅雨時期は湿度が70%以上になり、発汗による水分排出が大幅に減少します。透析患者さんにとっては体内に水分が蓄積しやすくなる特に注意が必要な時期です。高湿度の環境では体温調節機能が低下し、のどの渇きを感じにくくなることで、知らず知らずのうちに水分を摂りすぎてしまうケースも見られます。

ガイドラインの基準値

  • 中1日:ドライウェイトの3%以内
  • 中2日:ドライウェイトの5%以内
  • 例:体重60kgの方は中1日で1.8kg以内、中2日で3.0kg以内

体重増加が多いと起こること

  • 透析時の血圧低下や不整脈のリスク増加
  • 心臓への負担増大、心不全や肺水腫の可能性
  • 高血圧による脳出血などのリスク増大

対策

  • 毎日同じ時間に体重測定を行い、記録をつけましょう
  • 体重増加が2kg以上の場合は早めにご相談を
  • 塩分摂取量を1日6g未満に制限
  • 水分摂取の目安:前日の尿量+300〜500mL
  • 麺類や汁物など、水分の多い料理は控えめに

2. 感染症リスクが高まります

梅雨時期の感染症リスク

透析患者さんは免疫機能が低下しており、高温多湿な環境でのカビ・細菌繁殖により感染リスクが大幅に増大します。湿度が70%を超える環境では、真菌類が急速に増殖し、呼吸器系や皮膚のトラブルを引き起こしやすくなります。

統計データ(日本透析医学会)

  • 透析患者の死亡原因:第1位 心不全、第2位 感染症
  • 健康な方と比較して、感染症にかかる割合が2〜3倍高い
  • 特にシャント感染、尿路感染症、呼吸器感染症に注意

予防対策

  • シャント部位を常に清潔に保つ
  • 手指衛生を徹底(20秒以上の丁寧な手洗い)
  • 室内湿度を50〜60%に保つ
  • 定期的な換気と清掃
  • 皮膚の保湿を心がけ、小さな傷も早期手当て

3. 血圧変動に注意が必要です

気圧・湿度変化の影響

梅雨前線による気圧変動により、自律神経系が乱れ、血管拡張や炎症反応が促進されます。また、高湿度により発汗による体温調節機能が低下し、これらの要因が重なることで血圧が変動しやすくなります。

目標血圧(ガイドライン)

  • 週初めの透析前血圧:140/90mmHg未満
  • 家庭血圧(透析日以外):135/85mmHg未満

透析中の血圧低下症状

  • 初期症状:あくび、眠気、倦怠感、嘔気
  • 進行時:顔面蒼白、冷汗、動悸、息切れ
  • 重篤時:意識低下、筋けいれん

対策

  • 家庭血圧の測定・記録を習慣化
  • めまいや立ちくらみを感じたら早めに相談
  • 透析中の体調変化をスタッフに報告
  • 体重増加を適切に管理し、除水による血圧低下を防ぐ

その他の注意すべき症状

  • 食欲不振が数日続く
  • 普段にない倦怠感やだるさ
  • 皮膚のかゆみや発疹

まとめ

梅雨時期は透析患者さんにとってリスクの高い時期ですが、適切な知識と自己管理により、これらのリスクを大幅に軽減できます。「いつもと違う」と感じたら遠慮なくご相談ください。

当クリニックでは、ガイドラインに基づいた安全で質の高い透析治療をサポートしています。気になることがあれば、いつでもスタッフにお声がけください。

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